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肌再生に年齢は関係ない!?30歳からのシンプルケア

監修:皮膚科専門医 岩本麻奈先生

30歳を超えた頃におちいりやすいのが、過剰なスキンケアによるトラブル。化粧品の知識も蓄積され、いろいろとアイテムを使うことにも慣れ、さらに頭の片隅には“肌の衰え、というネガティブなシグナルがちらつき始める。そしてシミやシワ、ハリや潤い不足など、あらゆる衰えをカバーしようと躍起になることで、みずからバッドスパイラルにはまりこんでしまうのです。ここで忘れてはならないのは、肌には生まれながらにして持っている自然治癒力と同様に、コンディションを整えるシステムが備わっているということ。
紫外線に当たるとメラニンが活性化され、色素沈着することで体内は守られますし、老化すると真皮が薄くなる代わりに角質がはがれにくくなる、つまりターンオーバーがゆっくりになることでバリア機能を保とうとします。人の身体には、それぞれにベストなコンディションを一定に保とうとする自浄作用やホメオスタシス(後述*)があるのです。

スキンケアの王道はあくまで3つ!
1 : 汚れを落とすこと
2 : 必要な水分・油分を補給すること
3 : 紫外線などの害から守ること

特に重要な2では、流行成分や最新成分に振り回され、あれこれと重ねづけするよりも、栄養分を適度に補いながら、肌がみずから生まれ変わる力を備えていくことこそが重要なのです。そうするとで、ターンオーバーも自然に整い、肌の活性化も促されます。
若い頃と同じようなケアでは何かが足りないのでは? そんな取り越し苦労をする前に、スキンケアの原点に立ち戻ってみるべきです。 いくつになってもシンプル&ベーシックなケアこそが、効力を発揮するのです。

*人間誰もが持っているというホメオスタシス、って何?

生物が一定の環境を保つよう働くことを、ホメオスタシス(生体恒常性)といいます。たとえば、人の体温は年間を通して36度前後に保たれていますよね? 夏には皮膚の表面の毛細血管が拡張して、汗をかくことで熱を外に逃がし、冬には皮膚の表面の毛細血管が収縮して、体温が外に逃げないようにするなど、つねに外部の環境変化に対応する働きをくり返しているのです。ホメオスタシスの働きで、外的環境のさまざまなストレスから身体の内部環境が守られているわけですね。

出典:岩本麻奈 著「Dr.Manaのすっぴん肌力」より(内容は掲載に際し編集してます)

岩本麻奈

東京女子医科大学卒。慶應義塾大学医学部皮膚科教室の研修後、市中病院勤務を経てフランスへ。現在、フランス、日本、ASEAN諸国をベースに、人・健康、生活スタイルに関する情報を収集し、独自の視点を交えて発信している。
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