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実年齢は“手”と “首”に出る ~全身ケア指南~

監修:皮膚科専門医 岩本麻奈先生

スキンケアは、なにも顔だけに限定されるものではありません。たとえば手や首まわり、胸元などは、無意識に目に入るもの。しかもそうした部分は、お手入れが行き届いているかどうかが如実に表れます。

手は第二の顔!?日頃からこまめなケアを。

とくに、手は第二の顔と呼んでもいいほど、美しさが表れる部分。手のひらには毛穴が無く、皮脂腺がありません。手の甲は、顔の皮膚と手のひらほどの差異はないのですが、やはり皮脂腺は顔ほど発達していません。
ですからハンドクリームを常備するか、ちょっと賛沢に手持ちの乳液か保湿クリームをつけるなどして、日頃から脂分を補うようにしてあげることが大切です。 なお手の甲は紫外線をよく受ける場所です。UVカットクリームも忘れずに塗りましょう。

手荒れの原因は、手で触れるものすべてが考えられますが、いちばんはなんといっても水仕事。炊事・洗濯などの手作業で水に何度もさらされることで、手の角質がふやけ、傷つきやすくなってしまうのです。
それを防ぐために、家事や洗い物をするときは、ゴム手袋(ラテックスのアレルギーの方はラテックスフリーのもの)を使うことをおすすめします。また、湯温が高いほど皮脂は奪われやすくなるので、ゴム手袋をしない場合には、できるだけぬるめの水温で洗い物をするようにしましょう。素手で水仕事をするときには、こまめに水滴をとるよう意識してみてください。

水仕事を終えた後には、かならずクリームなどで保護のケアを。手のひら同士を擦りあわせたり、一本一本の指をひっぱるようにストレッチしながらなじませると、血行がよくなって冷え性の改善やストレスの緩和に。ハンドマッサージによりオキシトシンなど脳内ホルモンも分泌され、夜に全身ケアと一緒に行えば、心地良い睡眠導入にもなるはずです。

いつものアイテムでOK!首や胸元のケア。

首の皮膚は、筋肉などに支えられていないためにたるみやすく、シワができやすい部分であるといえます。首まわりの血液循環が悪くなると、肩こりにつながるだけでなく、顔から静脈やリンパが流れにくくなり、むくみ、くすみやシワの原因になります。

いっぽう胸元は、皮脂や汗の分泌が盛んな部分。毛穴に皮脂や汚れなどが詰まり、ニキビやざらつき·くすみを発生させることもあるのです。

ですから、首まわりには保湿を、胸元は清潔に、それぞれ心がけてあげてください。首·胸元用に特化したアイテムを用意しなくても、フェイス用のアイテムを肌質に合わせてそのまま使用しても、特に問題はありません。紫外線の強い季節だけでなく、年中顔と同様にサンプロテクトを念入りに。また、首まわりから胸元の美しさをキープするためには、高すぎる枕を避けて自分に合った枕を使う、猫背にならないよう意識して姿勢をよくする、スマホを定姿勢で何時間もダラダラ見ない…など、日頃の生活習慣も見直してみることが必要です。

肌は身体全体を被う一枚の布のようなもの。トータルケアの大切さ。

美は細部に宿る。肌は身体全体を被う一枚の布のようなもの。細部まで気を配ることで、トータルに健やかさを保つことができるはずです。注意していないと、ついおろそかにしてしまいがちなパーツだからこそ、念入りケアを忘れずに!

 

出典:岩本麻奈 著「Dr.Manaのすっぴん肌力」より(内容は掲載に際し編集してます)

岩本麻奈

東京女子医科大学卒。慶應義塾大学医学部皮膚科教室の研修後、市中病院勤務を経てフランスへ。現在、フランス、日本、ASEAN諸国をベースに、人・健康、生活スタイルに関する情報を収集し、独自の視点を交えて発信している。
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