監修:皮膚科専門医 岩本麻奈先生
仕事柄、さまざまな女性から多種多様な肌トラブルの相談を受けるわけですが、多くの日本人女性が抱える悩みのひとつに、毛穴の開きがあるようです。私は、毛穴問題にはあまり過敏になりすぎる必要はないと思います。
毛穴が目立つのは、いうなれば恵まれたトラブルなのです。例えば加齢が原因である場合には、シミやシワといったほかの悩み要素が少ないから毛穴が気になるのであろうからです。実際には、たるみが原因でそれによって毛穴がしずくのように伸びているわけですが。保湿をしっかりし、紫外線カットに勤しんでください。(はりや弾力のケアとして、ビタミンC入りアイテム等もお手入れに組み込みましょう。)
また、皮脂分泌が活発な場合は、それで肌が保護されるため、肌荒れを起こしづらくなっているはずなのです。男性の肌は歳をとってもシワになりにくいですよね? 実際に毛穴レスでキメが細かい色白肌は、多くは乾燥しやすく脂性肌の人より老化が早いとも言われます。
とはいえ、皮脂の分泌が過剰に行われてバランスを崩しはじめると、角栓ができたり、ニキビが発生するトラブルへとつながってしまいます。すでにニキビで悩まれている人も含め、以下の点をチェックしてみましょう。
・脂っこい食べ物、ピーナッツ類が好き、あるいは偏食傾向
・便秘気味
・規則正しい生活を送っていない、特に睡眠不足
皮脂の分泌の乱れには、ストレスと共に、食生活もおおいに影響しています。改めるためには、毎日摂る食材を見直してみることが必要です。卵、レバー、のり、わかめ、玄米などを中心に、ビタミンB2、B6をバランスよく摂るよう心がけてください。
前述の生活習慣に思いあたるものがなく、化膿しそうなニキビがいくつもある人は、迷わず皮膚科へ足を運んでくださいね。場合によっては、しっかりとお薬を飲んだり、ビタミンCイオン導入やピーリングなどの美容医療行為が効果的なことがあります。がんこなニキビの人は、いちど基礎体温をつけてみるのもいいでしょう。また、ニキビとホルモン系の婦人病とは、時としてリンクしていることがありますので、生理痛が重いなどの症状があるのなら、婦人科へも一緒に足を運んでみてください。ピル内服で良くなる症例もあります。
肌のお手入れ方法ですが、基本は神経質すぎない洗顔とさっぱりめのスキンケア。
額やフェイスラインのニキビは、シャンプーや洗顔料のすすぎ不足で起こることもあります。すすぎはくれぐれもていねいに。だからといって、洗顔時にことさらゴシゴシこすったりするのは逆効果。
オイルフリーのニキビ用コスメを使用するのも一案です。
注意していただきたいのは、毎日ニキビを数えたり、ストレスを抱えこみ、必要以上に触ったりすることでより症状を悪化させてしまうこと。軽いニキビの場合は、さらっとお粉をはたいて隠したりすることで、ニキビがあることを意識しないように気持ちを持っていきましょう。