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30代半ばで差が出る! 日本女性の肌の美しさ

監修:皮膚科専門医 岩本麻奈先生

「日本人の肌って、本当にきれいね」 その昔、南仏に本社を置く某製薬会社のコスメ部門のリサーチで、20代~60代の日仏の女性たちの皮膚官能評価テストに立ち会ったことがありました。その際、自意識が高く、滅多に他人を褒めないフランス女性が、羨望のまなざしでため息まじりにそう口にしたのです。


私は、コロナで日本に帰国する前、フランスに20年、その後カンボジアに3年滞在しておりました。在外生活では、ヨーロッパをはじめとしてアメリカ、中国、東南アジア、中近東など、さまざまな国の女性たちの肌を観察し続けてきましたが、「日本女性の肌は美しい」というのが、私の結論です。
たとえば、フランスは真夏でもカラリとしていて過ごしやすい反面、乾燥した気候。そのせいか、フランス女性の肌は気の毒なくらいカサカサに乾燥し、ほおの縦ジワも深く刻まれやすいようです。さらに、喫煙率の高さや、アムールの国ならではのキスをする習慣、フランス語には口をすぼめる発音が多いといった影響か、口の周りに縦ジワが多いのも特徴的です。おまけにフランス人は、真夏でもテラス席から先に理まっていくほどの日焼け好き。顔はもちろん、デコルテや背中はシミでいっぱいです。残念ながらこうした気候や生活習慣は確実に肌の衰えを招き、そこだけ見れば30代半ばを境にドッと老け込みます。 それでも、「私は美しい」と堂々としていて、実際美しく見えるのが彼女たちのすごいところ。


それに比べて、日本女性は30代半ばを迎えても、肌がふっくらと美しい人が多いのです。近年とりわけ美しくなったと感じるのは、40代以降の日本女性の肌。同年代のフランス女性と比べると、そのみずみずしさ、張り感は一目瞭然です。
化粧品そのもののクオリティが進化したのはもちろん、結婚·出産を経ても女性として輝き続けたいと、丁寧なスキンケアを実践している人が増えたことの現れでしょう。
もともと日本女性の肌は水分たっぷりでみずみずしく、真皮が厚く、欧米人に比べてアドバンテージのある肌質をしています。計150人以上の日本人、フランス人、ロシア人の頬部の水分量を調査したことがあるのですが、日本人はフランス人の約2倍の水分量でダントツ。その理由は、UVケアへの意識が高いこと、海に囲まれた湿潤な気候であること、肌あたりのよい軟水であること、入浴の習慣に加え美肌を生む温泉に恵まれていること、バランスのとれた和食、顔の凹凸が少ないためシワができにくいetc……。

数えきれないほど、生まれながらの美肌を生む土壌が日本には備わっているのです。
生まれつき肌質に恵まれているのですから、日本女性はもっともっと自分の肌に自信をもっていいのです。過剰なスキンケアに走るのではなく、日本女性に許された「本当にベーシックなお手入れ」で、持ち前の美肌をキープしていきましょう。
そしてフランス女性のような矜持をまとえば、怖いもの無しです。

 

出典:岩本麻奈 著「日本女性のための本当のスキンケア」より(内容は掲載に際し適宜編集しております)

岩本麻奈

東京女子医科大学卒。慶應義塾大学医学部皮膚科教室の研修後、市中病院勤務を経てフランスへ。現在、フランス、日本、ASEAN諸国をベースに、人・健康、生活スタイルに関する情報を収集し、独自の視点を交えて発信している。
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