監修：皮膚科専門医　岩本麻奈先生

時間をかけた丁寧なお手入れは、忙しくて難しい…という女性は多いものです。でも、安心してください。
スキンケアは、「正しい手抜き」をしたほうがお手入れを継続しやすくなり、かえってキレイに近づきます。

信じられないかもしれませんが、これが真実。スキンケアは「夜」のほうに重点を置いて行い、「朝」はシンプルで構いません。わたくしたちの身体には日が昇ったら目が覚め、日が沈むと眠くなるといったように、サーカディアンリズムという体内時計が備わっております。

これに従えば、夜寝ている間に肌の代謝が活発化するため、朝、起き抜けの肌はみずみずしく、皮脂量も理想的。朝の元気な肌に、重すぎるクリームなどで栄養分を与えすぎると、かえって化粧崩れなどを招きやすくなってしまいます。

反対に夜の肌は、昼間の紫外線や排気ガスなどにさらされたあとだけに、水分量が減少しているのに反比例して皮脂量は増加しています。それだけに、キレイな水分も油分もたっぷり与えてあげるケアが必要なのです。

特に時間のある夜には、好きな香りや音楽、彼とのおしゃべりでリラックスしながらのスキンケアがおすすめ。自分の好きなものに囲まれて過ごす時間は、何よりも美肌作りにパワーを発揮します。睡眠も美肌づくりの要ですので、その心地よい導入にもなります。

幸せを感じると各種脳内ホルモンが分泌され、自律神経のバランスがよくなり、肌が自ら健康で美しくなろうとするホメオスタシスの力で、ストレスに強い肌づくりをサポートしてくれるのです。
ちなみに、わたくしのスキンケアタイムは、気分だけヨーロッピアン。ローズやイランイランの香りに、オペラのアリアやクラシックを聴きながら、が定番です。