監修:皮膚科専門医 岩本麻奈先生
自分の肌を信じて
「40代ですが、もうお手入れしてもムダでしょうか?」「今から美しくなろうなんて図々しいでしょうか?」という質問が、よく寄せられます。そんな方たちに、私はいつも「美しくなるのに、遅すぎるなんてことは絶対にありません!」とお答えしています。
肌は1年間お手入れを積み上げてきても、3日放置してしまえば、乾燥し、ハリを失ってしまうもの。逆にいえば、思い立った今このときからお手入れを始めれば、その瞬間から肌はうるおい、輝きを増していきます。皮膚は人体最大の臓器でありますが、筋肉と違って、鍛えたり、お手入れの成果を貯め込んだりはできません。その時々の体調やお手入れが反映されるのです。
肌はきれいであるに越したことはありませんが、当然のこととして、それだけですべてが決まるものでもありません。
「美」をかたちづくるもの
「美」をかたちづくっているのは、肌の美しさや顔の造作だけではありません。
表情はもちろんのこと、コンプレックスを魅力に変えるファッションやメイク、人を惹きつける立ち居振る舞いやユーモア、経験に裏打ちされた深い洞察、そして教養etc…。
「美」はそうしたさまざまな要素の集大成。トータルで美しく感じられれば、肌にシミやシワがあるからといって「美」を損なってしまうということはないのです。
もともと肌の美しい日本女性は、年齢を重ねていくことで現れるシミやシワ、うるおい不足などに大きく動揺しがち。そして慌てて過度なスキンケアやスペシャルケアに走り、肌トラブルを繰り返すようになってしまうことも多いのです。
もっと自分の肌を信じてあげてください。
自分に必要なスキンケアとは
肌をはじめとする人の体には、自ら健康で美しくなろうとする恒常作用「ホメオスタシス」が備わっています。
今は情報過多の時代。流行成分に振り回され、肌だけをあれこれいじっても、美しい肌をつくることはできません。 実のところ、ホメオスタシスをキープするのに必要なのは、「これだけ?」と驚くほどシンプルかつベーシックなスキンケア。
栄養分を適度に補いながら、肌が自ら生まれ変わる力をサポートしていけば、自ずとターンオーバーが整い、肌が活性化していきます。衰えた肌に何を与えようと試行錯誤するよりも、自分の肌に自信をもち、スキンケアの原点に立ち返る。それこそが、「美」へのパスポートを手に入れる秘訣なのです。
出典:著書「日本女性のための本当のスキンケア」より(内容は掲載に際し適宜編集しております)